皆さんが気になっている音〇心理学の正体
こんにちは、心理系コンポーザーのSeRPeNTです。
今日は、心理学で実は音楽を対象にした領域があることを知ってもらうことが目的の記事です。
それは、音楽心理学と言われる学問です。どんな研究が行われているかというと。例えば、「明るいメロディだと歌詞が悲しい雰囲気だと、明るく聞こえるのか、それとも悲しく聞こえるのか」とか「音楽の才能は尺度で測れるかどうか」とかですね。(答えは記事中に書きます。)
面白いことに、〇〇心理学って結構多いんですよね、学校心理学とか産業心理学とか。その中の1つである音楽心理学を今回は取り上げて、記事にしていこうと思います。
音楽心理学の定義と3つの立場
まず、音楽心理学とはなんなのか。結論から言うと、
「音楽に関係した行動や精神活動を研究する学問」です。
例えば、音大生を対象にした研究や聴く側の音楽の受け取り方などが研究されています。また、これを研究する立場が大きく分けて3つあります!しかし、それらを指す別に専門的な用語があるわけではないので以下で
この本に沿って呼びますね。
音楽についての心理学
音楽心理学って聞いたらまずこれが思い浮かぶと思いますが、音楽についての心理学です。これは、規制の音楽を刺激として、人間の行動がどう変容するかを研究する学問です。規制の音楽とは主に西洋音楽が使われることが多いです。
音楽行動を研究する心理学
二つ目は音楽に参加する人を研究対象とした心理学です。音楽を主体的に聴いたり、演奏したりする人が実験の対象となる分野です。音楽のスキルに関する研究や聴衆態度の研究などがそれに当たります。つまり、音楽にかかわる人の行動を主に研究してると言えます。
音楽の認知心理学
最後は認知心理学の観点から音楽を見る立場です。これは、音楽が人間の記憶にどう結び付くかとか、音楽が記憶に影響するのかとかを調べる分野です。どのようにメロディを覚えているのかとか、音楽に乗せて何かを覚えるのは本当に有効なのかとかを調べています。つまり、この立場の重点は音楽に関する記憶です。
歴史
音楽心理学は、19世紀のドイツで生まれました。
フロイトの初期心理学が生まれたところだけありますね。
そして、今でも研究されている分野です。
まぁ音楽が終わらない限りこの学問はあり続けると思います。
そして、研究していった過程で大きく6つの区切りがありました。現在までの流れを軽く書きますね。
初期(1期)
19世紀の後半にライプチヒ大学に心理学実験室ができたことで、心理学が誕生したと言われている、一方で音響学というものはすでに研究が行われていたということがありました。つまり音響の基礎研究は既になされていました。これと心理学を合わせて音楽心理の研究がはじまったとされています。初期はシュトゥンプという人物が中心に研究していたそうです。
才能研究(2期)
音楽の才能を尺度で測るという音楽能力尺度が、シーショアにより20世紀前半にできました。音楽の才能は尺度で測れるかどうかって最初に言った質問の答えです。なんと音楽の才能は測れるんです。音楽才能の分析の先駆けとなりました。
演奏の研究(3期)
シーショアの弟子を基に、音楽心理学の研究の土台が出来上がったと言われています。また、このころ(1930年代)は、演奏行動に焦点を当てた研究が行われていました。同じ曲でも演奏家が違うと聞こえ方が異なるのかということを研究されていました。独立変数に楽譜に示された作品、従属変数に演奏行動やその分析や記録で実験を行った結果、聴衆は、楽譜に書かれた機械的な再現からのズレに惹かれていることが分かったという実験があります。
認知知覚研究(4期)
1970年代には、調性感や共感覚や音感のあるなしのような音楽をどのように知覚しているかという研究が行われました。ちょうどこの時期に認知心理学がアメリカを中心に台頭したこともあり、音楽の認知研究が進みました。また、このころ国際音楽知覚認知会議が開かれたことで、多彩化や国際化したと言われてます。
音楽と感情研究(5期)
21世紀になると、音楽は感情を表しているという着眼点にたどり着きます。「音楽は感情の言語である」と謳われるように、作曲家は音楽で楽しい雰囲気や悲しい雰囲気などをメロディや伴奏で表現している。しかし、長い間この分野は放置され気味でした。しかし、スロボタとジュスリンによる「音楽と感情」という著書により研究が始められました。また脳科学が発達したことにより、生理心理学的なアプローチもより簡易にとれるようになりました。そのようなこともあり音楽と感情に関する領域まで広がりました。
研究方法や音楽心理学の立ち位置
音楽心理学は、科学です。だから普通の心理学と研究法は変わらないです。
実験や質問紙や観察法やテストや面接法など…
あくまで心理学の一部です。
ただ、独立変数や従属変数に音楽を使うか使わないかで違いが生まれるのだと思います。
今現在、音楽心理学がどのように使われているかというと医療や教育という場で応用されていることが多いみたいです。また、あの有名な「モーツアルト効果」などもあらゆる角度から研究され、それについてのメタ分析まであるらしいです。
まとめ
以上が音楽心理学の概要になります。いかがでしたか?
あ、そういえば、前半で言った質問の答えが書いてなかったですね。(明るいメロディだと歌詞が悲しい雰囲気だと、明るく聞こえるのか、それとも悲しく聞こえるのかってやつです)
結論から言うと、メロディが悲しい短調な曲であれば、どんなに明るい歌詞でも、暗い曲に聞こえるそうです。なんとなく分かると思うけど、こういう結果を出されると「言葉をねじ伏せる音楽の力、半端ねぇ」と改めて思いますね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。ぜひコメントをください。
参考文献