心理学科の音楽理論

音楽知識を共有していきたいです。

楽器を始めたいなら、最初にやることは練習ではない?!

こんにちは、心理系コンポーザーのSeRPenTです。今日は、楽器を新しく始めたいけど時間がかかることはしたくないと思っている方に朗報です。そう思っていな人でも、効率よく新しい楽器を覚えたいと思っているならこの知識は役に立つんじゃないかなと思います。私も最近ピアノを始めたんですが、一気にプロみたいにうまくいかないけど、コードとメロディを両手を使って弾けるように2週間くらいでできました。しかも1日1時間も触っていないのです。つまり、

練習をそんなにしなくても、すぐにある程度できるようになるんです。それをするにはある能力を鍛えればいいと分かっているんです。今回はそんな夢みたいな話を共有していきたいと思います。

 

 

 

10000時間の法則って言うけど

10000時間の法則というのは、楽器の経験者じゃなくても1度は聞いたことあるんじゃないでしょうか。これは要するに10000時間何かやればプロ並みにそれをできるというものです。

いや待て待て。

そんな時間やっててもできないことって逆にあるんですか?とツッコミたくなるようになりませんか?(私はなる)

いや、でもそもそもそんな時間ないよ~って人の方が多いと思うのであえて言います。10000時間なんか費やせるわけない。じゃあどうするか?楽器を手っ取り早くしたいなら脳を鍛えればいいんです。

 

鍛えるべき能力

「脳鍛えろって言うけど、どうすればいいんじゃい!」

と聞こえてきそうですが。結論から言うと、鍛えるべき能力はワーキングメモリです。ワーキングメモリとは「情報を処理する能力」(2013、トレーシー・ロス)のことです。簡単に言い換えると何かを意識しているときに、それを処理することです。

ワーキングメモリのおかげで、何か新たなシチュエーションに出会っても、自分の記憶という大図書館からそれに近しい参考文献を引っ張り出して、新たな状況にも対処できるということです!!

例えるなら、ワーキングメモリは机の広さです。小さい机だと参考文献を1冊しか置けないけど、大きいと数冊広げることができ効率的に対処できるという感じです。これを鍛えれば、新しく楽器を始めたとしても意外と「できる!」となる感覚が早めにつかめることでしょう。

 

具体的な鍛え方

「でも、どう鍛えればええねん」

と不安になる人もいるかもしれませんが、まず最初にてっとり早くできる方法を教えます。しかもお金はかからない。怪しい装置や音楽を買わせることもないので安心してください(笑)。簡単なものから言うと、1つのことに集中しましょう。つまり、何か複数のことを同時にするのをやめましょうと言うことです。2つ以上のものを同時にすることをマルチタスクと言います。これをすると脳に負荷がかかりワーキングメモリに関わりの深いと言われている前頭前皮質の機能が悪く難ることが分かっています。2010年に200人にマルチタスクをしてもらうという実験がユタ大学で行われました。実験参加者にはハンズフリーの携帯電話をドライビングのシミュレーションを行ってもらいました。携帯からは単語を読み上げたり数学の問題が出されてりします。結果は、マルチタスクを行っていた大半の参加者がドライビンシュミレーションの成績が悪かったという残念なことになりました。同時に何か2以上のことを処理するのは効率的に見えて効率が悪いんです。

また、ゲーム感覚でも鍛えられます。DNBというテストです。これは、ゲーム感覚でワーキングメモリを鍛えられるのでお勧めです。科学的な根拠もあるのでやってみる価値は有意にあります。

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今回の記事をまとめると

・10000時間の法則は時間のない人に向いてない

・鍛えるべき能力はワーキングメモリ

 ・それを鍛えるためにはマルチタスクをやめる

です。

 

これで、新しく楽器を始めたとしても苦なく意外と楽しめるのではないでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

引用・参考文献

トレーシー・アロウェイ、ロス・アロウェイ著 栗木さつき訳(2013)「脳のワーキングメモリを鍛える! 情報を選ぶ・つなぐ・活用する」、NHK出版